7月13日(木)、理工学部講演会「有機二次電池への期待と実用化への課題」(杉本 豊成 客員教授(大阪府立大学21世紀科学研究機構))7月13日(木)、理工学部講演会「有機二次電池への期待と実用化への課題」(杉本 豊成 客員教授(大阪府立大学21世紀科学研究機構))

2017年6月23日

理工学部講演会を下記の要領で開催いたします。是非ご参加ください。

日時:7月13日(木)15:30〜17:30

場所:神戸三田キャンパス VII号館1F112号教室

講演者:杉本 豊成 客員教授(大阪府立大学21世紀科学研究機構 / 浙江工業大学)

講演題目:有機二次電池への期待と実用化への課題

講演内容の概要:
 1985年にリチウムイオン電池(LIB)が発明されてから早くも30年以上経つ。現在のLIBは、性能およびコストの両面からほぼ完成域に達した二次電池であると言える。ここ数年間はLIBのさらなる性能アップまたより高い安全性の改良を目指して精力的な研究が続けられて来た。

 我々有機化学を専門とする者は、この改良の研究に何か貢献が出来ないものであろうか?これまでの正極、負極、セパレータや電解液に代わる、新たな有機化合物の使用が検討されてすでに幾多の成果を上げている。無機系の正極活物質の代わりにレドックス活性な有機化合物を使用すると、著しく高いエネルギー密度が期待される次世代対応の有機二次電池を与える。本講演では、我々がこれまでに検討してきた新規の有機活物質を使用する有機二次電池の研究結果について紹介し、さらに実用化への課題についても述べる。

 高温で薄膜を形成するナノサイズのデンドリマー型ポリマー(STOBA)を無機系正極活物質の表面上に塗布すると、電池性能には全く影響を及ぼさずに熱暴走を効率良く抑制することが出来る。一方、汎用のグラファイト負極活物質の代わりに導電性の有機ポリマーを使用すると、高出力・高エネルギー密度を示すハイブリッドスーパーキャパシタが得られ、現在次世代蓄電池の注目の的である。また、現在電解液に使用されている有機溶媒を結晶性イオン液体やゾル/ゲルポリマーに置換すると、液漏れや発火が抑制されて安全性が格段に向上する。以上のSTOBA、ハイブリッドスーパーキャパシタおよび結晶性イオン液体やゾル/ゲルポリマー電解液に関する最近の研究報告についても本講演で紹介する。

担当:先進エネルギーナノ工学科・准教授・吉川浩史