水木 純一郎 教授

PROFILE

水木 純一郎 教授

Professor Jun’ichiro MIZUKI

1950年、兵庫県生まれ。1973年関西学院大学理学部卒業、1975年東北大学大学院修士課程修了、1980年同博士課程修了。理学博士。1980年~1985年:日本学術振興会奨励研究員、McMaster Univ. (Canada) Post Doc. Fellow, Ames National Lab. / Iowa State Univ. (USA) Research Associate。1985年~1996年:NEC基礎研究所、1996年~2011年:(独)日本原子力研究開発機構、2011年4月より関西学院理工学部/理工学研究科。現在の研究領域は、放射光X線を利用した構造物性学。特にX線散乱法、分光法の開発による物質・材料の反応と機能のダイナミックスの研究を進めており、具体的な対象物質は酸化物超伝導体、鉄系超伝導物質を中心とした強相関電子系物質や電極触媒の構造と電子状態を解析することにより機能発現機構の解明に興味がある。

研究内容放射光構造物性

SPring-8を中心とした放射光X線の強力な光を利用し、物質・材料の物性や機能発現を直接つかさどっている原子や電子のエネルギー・運動量空間での静的・動的状態を観察することによって先進エネルギーに関わる新規機能性物質開発を行っています。現在は主に遷移金属酸化物や鉄系高温超伝導体、電池電極触媒などの触媒材料を対象として非弾性X線散乱法、吸収分光法などによってそれらの原子の並びや電子の動きを観察し、機能発現機構解明を進めています。

担当科目一覧

  1. 先進エネルギーナノ工学入門(学部1年前期)
  2. 力学I(学部1年後期)
  3. 力学II(学部2年前期)
  4. 構造・フォノン(物理学部3年後期)
  5. 先進エネルギーナノ工学詳論(学部4年前期分担)
放射光構造物性
Keyword

放射光X線、強相関電子系、酸化物超伝導体
触媒、非弾性X線散乱

研究テーマ

Pt触媒のCO酸化における電子状態の観測

American Chemical Society (2014)より
Pt触媒のCO酸化における電子状態の観測

共鳴非弾性X線散乱(RIXS)プロセスの概念図

共鳴非弾性X線散乱(RIXS)プロセスの概念図、SPring-8 BL-11XUに設置されているRIXS分光装置、および銅酸化物超伝導体Nd2-XCeXCuO4のRIXSデータ (Nature Communications (2014))。

研究の背景

我々の生活は物質・材料に支えられています。地球そのものも物質・材料からできており、誤解を恐れずに言えば生物、人間も元をただせば物質・材料から構成されています。現在の文明社会では、ナノテクノロジーに基づいた機器が生活の中に溢れており、これらはすべて物質・材料の研究開発、技術開発の成果の賜物です。すなわち、物質・材料を抜きにしては我々の生活はもはや成り立たないのです。今後もよりよい生活、便利で快適で安全・安心、持続可能な社会を実現するためには、物質科学・材料科学の進歩に負うところが大きいことは疑う余地もありません。
 ところで物質・材料の物性や機能は電子の振る舞い(電子状態)で決定されているといってもいいでしょう。その電子状態を規定しているのが電子に働く力、ポテンシャルです。物質科学研究の基本として構造解析があるのはこのためである。原子の並びが解析されれば色々な近似を使って電子状態を計算することがきますが、これはある近似の範囲内での答えであり、実験で観察することが重要です。これを観測できるのがSPring-8のような高輝度放射光X線です。また、物質や材料が機能を発揮しているときには電子が励起状態になって動いており、この様子を直接観測できるのも高輝度放射光X線です。

研究テーマと成果

将来に向けてエネルギー源の確保は世界的な問題であり、この根幹を担っているのが原子レベル、電子レベルで制御された物質・材料です。研究室では、超伝導や誘電性、磁性、触媒、半導体特性などエネルギーに関連する多種多様な物質・材料を研究しています。私たちは電子と「直接会話」のできる世界最高性能を誇る“SPring-8”の超強力なX線の利用を中心にして研究を展開しています。X線回折・散乱法によって原子の構造を解明し、X線分光法によって電子状態の情報を得ています。特に強力な放射光X線を利用していますので機能発現中の「生きた物質・材料」の原子構造や電子状態の観測に成功しています。すなわち、物質や材料が物性・機能を発揮している状態(励起状態)をそのまま観察することができ、原子構造や電子励起状態が実空間、実時間、あるいは運動量空間、エネルギー空間の観測に成功し、機能と電子状態との相関を明らかにしています。

教育目標

研究活動を通して社会に貢献し活躍する学生を育成します。己のためではなく、他人のため社会のために何ができるかを考え、働くことができ、それを喜びと感じることのできる学生を育成したいと考えています。そのために学生時代に精一杯研鑽を積み、それぞれの道で一流になることの重要さを理解してもらいたいと思っています。

共同研究先一覧

(国)日本原子力研究開発機構、(国)理化学研究所、東北大学、東京理科大学、京都大学、広島大学、大阪大学、スイス放射光施設など。

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研究室の風景01
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