田中 裕久

PROFILE

田中 裕久 教授

Professor Hirohisa TANAKA

1957年 大阪府生まれ。1980年 京都工芸繊維大学 工芸学部卒業。セラミックメーカー勤務~世界放浪~金属加工メーカー勤務を経て、1989年から2016年3月までダイハツ工業(株)に勤務。エクゼクティブ・テクニカル・エキスパートとして、触媒・燃料電池・熱電変換材料などの自動車の環境技術開発に従事。自己治癒機能を持つインテリジェント触媒など、数多くの新触媒を開発・実用化し、搭載実績は1千万台を超える。1998年 東京大学 大学院 工学系研究科 工学博士号取得(触媒化学)。2016年4月に本学科に着任。現在も国内外の産官学と連携して、液体燃料を蓄電媒体とする燃料電池、自動車の排ガスをきれいにする触媒、安全な水素社会を築く再結合触媒の研究開発に取り組んでいる。

研究内容触媒化学

100年後の暮らしやクルマ、生活を支えるエネルギーなどのビジョンを描き、それを実現するために望まれる技術を研究テーマに選定。国内外の産官学と連携して、液体燃料を蓄電媒体とする燃料電池、自動車の排ガスをきれいにする触媒、安全な水素社会を築く再結合触媒の開発に取り組んでいます。

担当科目一覧

  1. ナノケミストリーⅡ(学部2年前期)
触媒化学
Keyword

材料設計、触媒、貴金属、燃料電池、エネルギー変換

研究テーマ

 
 

研究の背景

「モノは人を幸せにするか?」材料開発を生業とする私自身にとって永遠の問いであり、若き日にその答えを求めて世界を旅しました。しかしながら、見渡す限り虚空なサハラ砂漠も、哲学者の棲息するギリシアも、キリストの聖地エルサレムも、唯一絶対神が加護する中東も、神々の宿るヒマラヤも、仏陀の国インドにおいても、迷える子羊を導く預言者は姿を現すことはありませんでした。
1年の放浪の後、答えの見つからない命題を「モノは人を幸せにする」という仮説に転じ、エネルギー・環境・資源を軸に様々な「モノ」を開発しながら、その後30年におよぶ仮説検証の旅を続けています。

研究テーマと成果

20世紀は、日々の生活を支えるエネルギーは化石資源に、環境技術は貴金属資源に強く依存してきました。資源のない日本から見て、石油を産出するアラビア半島の国々、貴金属の産地である南アフリカは恵まれた国のように思えますが、稀少資源の利権に絡む侵略や征服、あるいは人種差別などが引き起こされてきたことも忘れてはなりません。21世紀のエネルギーを考えると。まずは化石燃料のクリーン化、そして水素、さらには電気エネルギーへと穏やかにシフトしていくと考えられます。特に電気は世界の至る所で生み出すことのできる再生可能エネルギーと言えます。
本学のモットーである「Mastery for Service」を体現するため、国内外の産官学と連携して研究テーマを推進中です。

  1. インテリジェント触媒:貴金属が自分で治癒することにより、稀少な資源の使用を最小限に抑え、吸った空気よりもきれいな排ガスを実現する自動車触媒
  2. 水素再結合触媒:水素を室温で酸素と再結合させ水に戻す触媒であり、来るべき水素社会の実現への安全技術。
  3. ダイレクト・ヒドラジン燃料電池:ポリタンクで運搬貯蔵が可能な液体燃料を必要な場所に持ち運び、鉄など身近な元素からなる触媒にて発電する新しい燃料電池技術
  4. 温度変化で発電する熱電材料:従来の空間的温度差ではなく、時間的な温度変化を電気エネルギーに変換

希少な資源に依存しないエネルギー環境技術の完成により紛争のない世界を実現できれば、「モノは人を幸せにする」という仮説の証明だと考えます。

教育目標

「答えは一つではない」:どんな分野に進んでもスクール・モットー”Mastery for Service”を体現するためには、身のまわりの些細な物事にも驚きを感じ、自ら課題を形成して、一つの答えで満足せず、好奇心をもって探究するその姿勢こそが大切だと思います。

共同研究先一覧

ダイハツ工業(株)、(国)日本原子力研究開発機構、(国)量子科学技術研究開発機構など

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