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2021年06月01日

羽原廉氏(若林研M1)らによる単層NbSe2における光誘起スピン流に関する理論が、米国物理学会誌Physical Review Bに掲載されました

羽原廉氏(若林研M1)らによる単層NbSe2における光誘起スピン流に関する理論が、米国物理学会誌Physical Review Bに掲載されました

若林克法工学部教授と羽原廉氏(理工学研究科先進エネルギーナノ工学専攻1年)が、二次元原子膜物質の一つである単層NbSe2において、光誘起によるスピン流の生成が可能であることを理論的に提案致しました。この研究成果は、2021年4月20日付で、米国物理学会誌 Physical Review Bに掲載されました。
 炭素原子だけからなる一原子層物質であるグラフェンの発見以降、一原子から数原子分の厚みしか持たない原子膜・分子膜物質の研究が盛んに行われている。なかでも単層NbSe2は、金属的性質をもつす2次元遷移金属ダイカルコゲナイドとして知られている。その結晶構造と強い原子的なスピン軌道相互作用(SOC)により、単層NbSe2はイジング型SOCを有することが期待されている。本研究では、Nb原子の内、d軌道のみに着目した有効強束縛模型を構築し、この模型に基づく単層NbSe2のスピンに依存する光学的伝導度を、久保公式を用いて数値計算した。その結果、光を照射によって単層NbSe2に純スピン流が生成させることが可能であることを示した。また、その光誘起スピン流は温度に対して強固であり、室温でさえ効率よくスピン流を生成することができるだけなく、可視および紫外光領域で効率よく応答することを見出した。
 本研究の成果によって、可視および紫外光を利用したスピン流ハーベスティングなどの光スピントロニクスデバイスの設計や応用が期待される。

雑誌名: Physical Review B
論文タイトル: Optically induced spin current in monolayer NbSe2
著者: Ren Habara (羽原 廉) and Katsunori Wakabayashi (若林 克法)
 
nbse2
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