ガソリン車において排出ガスの悪化は、燃費や出力と違い運転者が感知することはできません。触媒の故障診断を行うOBDとよばれるものは自動車触媒に含まれているセリウム複合酸化物の酸素貯蔵能(OSC)の劣化を測定することで検出することができます。酸素が足りない環境では触媒が酸素を放出、酸素が多い環境では触媒が酸素を吸収することで酸素量の調整を行っています。しかし、触媒が劣化するとこの機能が失われていき、排気ガスに合わせた酸素の出し入れが難しくなります。ヨーロッパで施行されるEuro7をはじめとした厳しい排ガス規制が世界中で広がる中、OSCに対する深い理解が不可欠です。私たちは大型放射光施設SPring-8を活用しながら将来の自動車触媒、OBDに向けて研究を進めています。


